手放せない本やマンガがうちにはたくさんあって、「美味しんぼ(100巻くらいまで)」「タッチ」「ブッダ」、辛酸なめ子の著作などが本棚に眠っているのだが、その中に遠藤周作の「宿敵」があった。
遠藤周作の本を、なぜ手放せないのか。理由はよく分からないが、たぶん10代後半の多感な時期に読んだからだ。家族の影響で「沈黙」「深い河」「海と毒薬」「鉄の首枷 小西行長伝(うろ覚え)」などを読んだ。思えば、自分の感性のルーツ的なものを感じて捨てたり売ったりができなかったのかもしれない。
どうして47歳の今「宿敵」を読み返したかというと、身の回りのいろいろなことに行き詰まりを感じていたからだ。「サピエンス全史(マンガ版)」「死に山」など、この世のダークサイド的な本を手当たり次第に読みながら現実逃避をしていたのだが、ある日たまたま目についたのが「宿敵」だった。
「宿敵」は、秀吉配下の武将・加藤清正と小西行長という全く違うタイプの2人が互いに意識し合いながら悩み苦しみ生きていく話である(うろ覚え)。
なぜうろ覚えなのかというと、30年近く前に一度読んだきりで、読み返している今はまだ全体の4分の1程度までしか進んでいないからだ。読んでいる最中に話の続きよりも書き手・遠藤周作自身のことが気になってしまった。この小説(というか文章)の文体や話の流れがこうもしっくり来るのはどうしてなのか。痒いところに手が届く感じが、極端におこがましいことを言うと自分が書いているように感じたのだ。何よりも自分の内側に興味がある自分としては、関心が作者の方に向いたのは自然な成り行きなのかもしれない。今は遠藤周作の自伝的なエッセイや弟子の回想録を読み漁っている。読書って素晴らしいですね!



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